地方からフルリモートで働くフリーランスエンジニア、いなリモです。
前にAIでフリーランスエンジニアは淘汰されるのかという記事で「AIを使い倒して守備範囲を広げよう」と書きました。ただ、いざClaude CodeやCodexを触りはじめると、skillだのhookだのトークンだの、知らない言葉が次々に出てきます。私も最初は「それってなに? 何ができて、どう使うのか」がまったく分からないまま、雰囲気で使っていました。
この記事は、その前提知識編です。厳密な定義ではなく、現場で困らない「ざっくりした腹落ち」を目指します。

- 生成AIやトークンなどのAI用語15語を「ざっくり」つかむ
- Claude Codeで出てくるskill・hook・サブエージェントが何か
- Claudeのモデルと料金プランの考え方(2026年9月時点)
- APIの従量課金が月いくらになるか、Codexの現在地
まず前提:この記事の使い方
この記事のねらいは「実務で困らない理解」です。数式や内部構造には踏み込みません。
もうひとつ大事な注意です。AIまわりはモデル名も値段もプランの中身も、数か月で普通に変わります。この記事の数字はすべて2026年9月時点のものです。契約前や実装前には、必ず公式の最新情報を見てください。
これだけは:AIの基礎用語15
会話に出てくる順で、まとめて15語。1語あたり数行です。
生成AIとLLM
生成AI:文章・コード・画像などを新しく作り出すタイプのAI。検索が「棚から本を探してくる係」なら、生成AIは「その場で書き下ろす係」。カテゴリ名なので「生成AI=ChatGPT」ではない。
LLM(大規模言語モデル):生成AIの中心にあるエンジン。大量の文章を読んだ結果「この文脈なら次はたぶんこの言葉」の予測が異常にうまくなったもの。ClaudeもGPTもGeminiも同じ土俵のLLM製品なので、仕組みを一つ押さえると全部に応用が効く。
LLMは「考えている」わけではなく「それらしい続きを高い確率で選んでいる」。この性質が、あとで出てくるハルシネーションにつながります。
プロンプトとトークン
プロンプト:AIへの入力・指示文。外注さんへの発注書と同じで、曖昧だと曖昧なものが返ってくる。「プロンプトエンジニアリング」は魔法ではなく「前提と例を添えて具体的に書く」こと。
トークン:AIが文章を処理するときの最小単位。単語よりやや細かい「文字のかたまり」で、英語なら1トークンがだいたい4文字くらい(platform.claude.com のFAQ、2026年9月時点)。大事なのは、課金も使用量制限もこのトークンで数えるということ。長い会話や長い貼り付けほど、お金も処理の重さもかさむ。
やっかいなのは、日本語は英語よりトークンを食うこと。ざっくり英語の2〜3倍という試算・計測がありますが、モデルのトークナイザ次第で差が大きいので、あくまで目安です。なおClaudeは4.7以降で新しいトークナイザに変わり、公式には「同じ文章でおよそ3割ほどトークンが増える(内容によって幅あり)」とされています(platform.claude.com のPricingのNote、2026年9月時点。Sonnet 4.6以前は旧トークナイザ)。


コンテキストウィンドウとハルシネーション
コンテキストウィンドウ:AIが一度に見られる文章の量の上限(入力+出力の合計をトークンで数える)。AIの短期記憶の広さ、机に一度に広げられる資料の枚数、と考えると近い。これを超えると古い部分から忘れていくので、長い会話で話が噛み合わなくなったら大体これ。2026年9月時点でClaudeのSonnet 5やOpus 5系は100万トークン、Haiku 4.5は20万トークン。
ハルシネーション:AIが「もっともらしい嘘」を自信たっぷりに出すこと。知らないと言えない新人が、それっぽい答えをでっち上げてくる状態に近い。存在しないライブラリや関数を書いてくる、出典をつくる、は日常。AIの出力は必ず人間が検証するが前提。最近のモデルで減ったのは本当だけどゼロではなく、固有名詞・数値・最新情報・法律は特に怪しむ。
推論・temperature・API
推論(inference):学習を終えたAIに入力を与えて答えを出させる「実行」フェーズ。勉強を終えた人が試験を解く場面。API料金やレスポンス速度の話は全部この推論の話で、「学習コスト」とは別物。日本語の「推論=考えること」とは少しズレる。
temperature(温度):出力のばらつきを決めるつまみ。低いと毎回ほぼ同じで堅実、高いと多様だけど脱線しやすい。料理人の「レシピ通り度」。コード生成や抽出は低め、アイデア出しは高め。ただしチャット画面では普通いじれず、APIを叩くときの値。最近は temperature を受け付けないモデルも出てきた。
API:プログラムから外部サービスの機能を呼び出す窓口。決まった形式で注文(リクエスト)すると料理(レスポンス)が返るレストランの注文口。ポイントは、月額固定のサブスクと、使った分だけ払うAPIは入口が別ということ。APIキーは実質パスワードなので、環境変数で管理してGitに残さない。
エージェントとMCP
エージェント(AIエージェント):指示に対して自分で計画を立て、ツールを使い、複数のステップを実行するAIの使い方。「これ調べといて」と言うと、勝手に検索してファイルを開いてコードを直してテストして報告してくる部下。Claude CodeもCodexもこの「コーディングエージェント」で、単発のQ&Aではなくタスクを丸ごと任せるモードだと考えるとイメージがつかめる。自動で手を動かすぶん、差分レビューと権限管理が前提。
MCP(Model Context Protocol):AIツールと外部のデータやツールを繋ぐための、共通の差し込み口の規格。AI版のUSB-Cとよく説明される。対応さえしていれば、GitHubでもデータベースでも社内ドキュメントでも、同じやり方でAIに繋げる。Anthropicが2024年11月に公開したオープン規格で、2025年以降に主要ツールへ広まった。繋ぐ先は自分で選べるので、素性の分からないサーバーは繋がない。
プロンプトキャッシュ
プロンプトキャッシュ:毎回同じ長い前提(システムプロンプト、資料、会話履歴)を送るとき、2回目以降を「使い回し」で安く・速くする仕組み。毎回同じ資料を読み上げる代わりに「さっきの続きから」で済ませるイメージ。API利用時、キャッシュが効いた読み取りは通常の入力料金の10分の1くらい(Claudeの場合、2026年9月時点)。長い前提を繰り返すエージェント用途でコストが大きく変わる。前提を1文字でも変えると無効になるので、日付を毎回入れるような書き方は逆効果。
RAG・埋め込み・ファインチューニング
ここからは「独自データをAIに扱わせたい」ときに出てくる3語。自分で組まない人は、名前だけ知っておけば十分です。
RAG(検索拡張生成):AIに答えさせる前に、関連文書を検索して一緒に渡す方式。カンニングペーパーを持たせてから答えさせる。社内WikiのQAボットなどの定番構成で、追加学習なしで最新・独自の情報を反映できる。ただし検索がずれると答えもずれるので「RAGを入れれば嘘が消える」は言い過ぎ。
埋め込み(embedding):文章の「意味」を数字の並びに変換すること。意味が近い文章は数字も近くなる。すべての文章を「意味の地図」の座標に置く作業で、RAGの「関連文書を探す」部分はこれで実現している。生成用とは別の専用モデルがあり、料金も安い。
ファインチューニング:既存のLLMに追加学習をさせて、特定の作風や専門分野に寄せること。一般教養のある人に自社マニュアルを叩き込むイメージ。独自データを反映したい=ファインチューニングと考えがちだけど、多くの場合はRAGやプロンプトの工夫で足りる。コストと手間が大きくモデル更新のたびにやり直しなので、個人が手を出す場面は限られる。
Claude CodeやCodexを使うと出てくる言葉
基礎用語とは別に、Claude Codeを使いはじめると独特の言葉が出てきます。私がいちばんつまずいたのがここでした。

CLAUDE.md:プロジェクトのルールブック。「このプロジェクトではこう書いて」「これはやらないで」をMarkdownで置いておくと、Claude Codeが毎回それを読んでから動く。チーム独自の手順や書き方の癖を覚えさせておく場所。この記事の執筆ルールも、実はこの仕組みで渡している。
スキル(skill):特定の作業手順をまとめたパッケージ。「デプロイの手順」「レビューのチェックリスト」みたいなものを1個にしておき、呼び出すとその手順が読み込まれてそれに沿って動く。プラグインのように後から足せて、毎回同じ説明を書かなくてよくなる。
フック(hook):「〇〇したら自動で△△する」という仕掛け。たとえばファイルを保存したら整形ツールを走らせる、コマンドを実行する前にログを取る、など。Claudeにお願いするのではなく、Claude Codeの仕組み側が確実に実行するのがポイント。設定ファイル(settings.json)に書く。
サブエージェント(subagent):別の作業スペースで動く補助のAI。「これ調べといて」と投げると、メインの会話を汚さずに調べて結果だけ返してくる。長い調査や試行錯誤を切り出すのに向く。実はこの記事の下調べも、サブエージェントが担当した。
スラッシュコマンド(/xxx):/で始まる呼び出し。よく使う指示を1語に登録できる(/deployなど)。/modelや/clearのように最初から用意されているものもある。
権限(permission):「ファイルを書き換えていいか」「このコマンドを実行していいか」を、その都度確認する仕組み。設定で「これは黙って許可」「これは絶対禁止」を決められる。エージェントが手を動かしすぎないための安全弁。
MCP:基礎用語で触れたとおり。私は仕事でBitbucketとConfluenceを繋いで、コードとドキュメントをClaudeから見られるようにしています。
Claudeのモデル、結局どれを使えばいい?
Claudeにはいくつかモデルがあり、性能・速度・値段が違います。2026年9月時点のざっくりした早見表です。
| モデル | 位置づけ | API単価(入力 / 出力・100万トークンあたり) | コンテキスト |
|---|---|---|---|
| Fable 5.1 | 最上位・難しい作業向け | $10 / $50 | 100万 |
| Opus 5 | 高性能 | $5 / $25 | 100万 |
| Sonnet 5 | バランス・日常使いの標準 | $2 / $10 | 100万 |
| Haiku 4.5 | 高速・安価 | $1 / $5 | 20万 |
単価の読み方は、入力が自分の送ったトークン、出力がAIの返したトークン。長い会話を続けるほど、過去のやり取りも毎回入力として送り直されるので、じわじわ効いてきます。ここでプロンプトキャッシュが効くと入力側が大きく下がります。
拡張思考(extended thinking)とeffort
拡張思考:答える前にAIが内部で「考える」時間を取るモード。難しい問題ほど効くけれど、そのぶんトークンを食う。Claudeでは深さを自動で調整する方式に、low〜max の強度設定(effort)が組み合わさっている。チャット画面では「思考」「Thinking」のトグルとして見える。

難しめの設計やバグ調査では効きますが、単純な修正で最大にしても待ち時間とコストが増えるだけ、という体感です。
消費者向けの課金プラン(2026年時点)
Claude CodeやCodexを「まず触ってみる」なら、月額のサブスクで十分です。
| サービス | プラン | 月額 | ざっくりの位置づけ |
|---|---|---|---|
| Claude | Free | $0 | お試し |
| Claude | Pro | $20 | 個人利用の標準。Claude Codeもここから使える |
| Claude | Max | $100〜 | 使用量が多い人向け(Pro比 5倍 / 20倍) |
| ChatGPT | Free | $0 | お試し |
| ChatGPT | Go | $8 | 軽め |
| ChatGPT | Plus | $20 | 個人利用の標準。Codexもここから使える |
| ChatGPT | Pro | $100〜 | ヘビー向け($100と$200の2段階) |
プランの中身と価格も変わります。契約前に claude.com/pricing と OpenAI のヘルプで最新を確認してください。

使用量制限の考え方
よくある誤解ですが、消費者向けプランの制限は「1日◯通」のような固定のメッセージ数ではありません。ClaudeもChatGPTも、直近◯時間のローリング枠に、有料プランは週の上限を足す形が基本です。ただし窓の長さや、具体的な数を示すかどうかの方針は各社で違います。
Claude は直近5時間のローリング枠で、公表しているのは「Freeの5倍」「Proの20倍」といった倍率だけです。正確なメッセージ数は会話の長さ・複雑さ・モデルで変わるため非公開で、第三者記事の「週◯通」といった数字は推定・報道と思っておくのが安全です。
ChatGPT も同じくローリング枠に週次の上限を足す形ですが、窓の長さや表記の方針は変わりやすく、いまはメッセージ数だけでなくトークン量でも数える方式に寄っています。正確なところはモデルもプランも入れ替わるので、公式ヘルプで確認してください。
- 何にトークンを使っているか原因を特定する(長い履歴、大きいファイルの貼りすぎ、effortの上げすぎ)
- 会話を分ける、不要な履歴を持ち込まない、effortを普段の強さに戻す
- それでも足りないなら枠の回復を待つか、上位プランを検討する
サブスク枠かAPIキー従量か
Claude Codeは、Pro / Maxのサブスクで使うとチャットと同じ使用量枠から消費します。かわりにAPIキーを設定すると、5時間や週の上限がなくなり、使った分だけの従量課金になります。
どちらが得かは使う量しだいです。一日中エージェントを回すヘビーユーザーは、固定額のMaxのほうが従量より安くなりやすい、という試算が複数の解説記事で出ています(金額は媒体によって幅があります)。逆に、たまに使うだけならサブスクの範囲で収まります。
Codexとは(2026年時点)
CodexはOpenAIのコーディングエージェントです。CLI、IDE拡張、クラウド、デスクトップアプリ、GitHub連携と、使える場所はClaude Codeと似ています。思想も近く、大きな違いは「繋がっているモデル」と「課金の入口」だと考えるとよいです。
対応モデルはとにかく入れ替わりが激しいので、この記事では特定の名前を出しません。その時点でツールが勧めるモデルを使えば十分で、どうせ数か月で変わります。
CodexはChatGPTのFree / Go / Plus / Proに含まれ、使用量の上限はプランごとに違います。APIキー利用は別で従量課金です。本記事のChatGPT・Codex側の数字は2026年9月時点でOpenAIの公開情報を確認したものですが、モデルもプランも入れ替わりが速いので、契約前に help.openai.com で最新を見てください。

API料金、月いくらになる?ざっくり感
「従量課金っておそろしく高くなるのでは」とよく聞かれます。ざっくりの感覚だけ。
- 軽い個人利用(たまに質問、短いやり取り)は、数百円〜数ドル程度で収まることが多い
- Claude CodeをAPIでヘビーに回すと、作業量しだいで月数万円〜数十万円相当になりうる(だからMaxのような固定額プランがある)
- 日本語中心だと、同じ作業でも英語よりトークンが増えるぶん割高になりやすい
要は「軽く使うならサブスク、重く使うなら固定額プラン、本当に大量なら従量も選択肢」という順です。
まとめ
- 生成AIとLLM、プロンプトとトークン(課金と制限はトークンで数える)
- コンテキストウィンドウとハルシネーション(記憶の限界と、嘘をつく性質)
- エージェントとMCP、Claude Codeならスキル・フック・サブエージェント
- モデルとプランは「用途で変わる」。まずはClaude ProかChatGPT Plusで十分
- 数字はすべて2026年9月時点。契約・実装の前に公式で確認する


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